お血

今日は「お血」(おけつ)と不妊症について書いてみたいと思います。

あなたのお腹は、硬いお腹でしょうか、それとも柔らかくてふっくらしたお腹でしょうか?

硬いと思われた方は目を通して頂きたいと思います。

硬くない方もどんな治療法が適切なのかという考え方について書いてありますので、目を通して頂

けると嬉しいです。

下腹部が硬いお腹は、「お血」というものがあって妊娠しにくいということが考えられます。

慢性的にお腹が硬いという方がよくいらっしゃいまっす。

これは血の停滞です。

血が停滞して潤いも少なくなってしまい硬くなったようなイメージです。

骨盤内の血流も悪く、子宮や卵巣に血流が流れていないことが予想されます。

原因は、手術をしたことがある、帝王切開、腫瘍摘出、月経不順、産後の不摂生、流産、打撲、

飲食の片寄りなど。

他には、気が滅入って気分が鬱々として気のめぐりが悪くなり、次第に血のめぐりも悪くなる、

なんてものもあります。

発散しきれていないようなストレスでしょうか。

症状は、肩こり、イライラ、冷え、便秘しているが食欲はあるという方が多いです。

この慢性的なお血の方には、時に生理の量が減ってきたという人も案外多いくいらっしゃいます。

何故このような症状が出るかというと、慢性になると段々冷えてきて硬くなってくるのです。

ちょっと専門的になりますが、この様な「お血」を「陰実」といいます。

内側は熱を持っているということを示しています。

そのため症状としては冷えがあるのですが、内側には少し熱が残っていて便秘しやすく、

食欲はあるのです。

その熱が、あちこちに行くのですが、例えば肩に行けば「肩こり」、腰に行けば「腰痛」を訴える

といった具合です。

いかがでしょうか?当てはまるものはあるでしょうか?

この慢性的なお血の治療は、実は専門的に考えると少し治療法が通常と違うとらえ方をします。

ごく簡単に書くと、停滞・充満している血を解消するため、血を流す治療ということになります。

ただし上記の様な症状が出ていれば、全て「お血」に対する治療をしていいとは考えません。

このような症状は、例えば血の少ないような人にも出るからです。

その場合補うことになります。

「補う治療で行うべき」なのか、今出てきた「慢性のお血」の治療で行うべきかで、治療法が変わ

ってしまうということです。

症状だけでは、どちらのタイプか分かりません。

そこで、脈を診て判断することができます。

脈も全体的には沈んで硬く、脈で血を見るポイントの部分では、押しても完全に押しつぶせない

ような脈が出ています。とはいっても決して強く触れる脈ばかりではありません。

どちらの治療で行うべきかを、脈と症状が一致するよう見分けることが重要です。

血を増やしたいのか、流して停滞を解消したいのかで変わってきます。

そこが適切でないと、骨盤内の血流の状態も改善しません。

なかなか不妊治療が長い期間うまく行っていない方は、

東洋医学的に診るとやはりどこか原因が当てはまるものです。

すると治療法も出てきます。

今回は、慢性的な血の停滞があるから、お腹が硬くなった。

脈は血の状態を診るポイントに少し硬いような押しつぶしきれない脈が現れる。

そして内側には熱があり、外はだんだん冷えてくるため、肩こり、イライラ、冷え、便秘してるが

食欲はあるという様な症状が出てくるという理論の話でした。

単に気をどーするとか、邪気がどーしたと聞くと何だか途端に怪し気に聞こえます。

極力イメージではなく、正しい漢方医学の理論に則って説明できる治療を心がけております。

理論に則っていないと効果的に妊娠しやすい身体づくりができません。

今回の話の慢性的な「お血」がある方は、「肺虚肝実証」というものとして考えます。

脾虚肝実というパターンの血の停滞・充満もあるのですが、これは他の機会に

不妊治療では質の良い卵子が育つことが最重要です。

何を→「血を」

どうする→「流して」

どうなる→「血の停滞を解消」

というように、

あなたのお身体がどのような状態かを、

脈診、腹診、症状など総合して考察して、身体づくりを行います。

今回のように「お血」があると、骨盤内の血流も悪く、卵巣や子宮への血流が届きにくくなってし

まいます。

これらを解消して新鮮な血液を供給し、

良い卵子が育ちやすい環境を整えて、

「お血」を解消して妊娠しやすい身体づくりを行いましょう。